2008年04月05日

マリリンと二滴の香水

往年ほど付けている人は多くないのだろうが、それでもシャネルNo.5の名前はマリリン・モンローの有名なエピソードと共に未だに広く認知されていると思う。たとえばシャネル5番とマリリン・モンロー | HEAVEN SCENTというサイトでは背景も含めて次のように紹介されている。
映画界での華やかな成功とは裏腹にマリリンは体制と戦っていました.映画界やマスコミはマリリンを映画の役そのままに,『官能的な肉体を持つ頭の弱い女』に位置づけようとしていたのです.そんな中,インタビューで『寝ている時は何を着ているのか』という質問を受けて(着る=wearとかけて)『シャネルの5番を纏っています』という返答をしたといいます.この逸話が『マリリンは寝る時にシャネルの5番を纏っている』という伝説のような逸話となったのでしょう.他にも,部屋に居る時はどんなものを身につけているかという質問に応じて(onとかけて)『つけているのはラジオだけ』という答えを返したととか.こんな記者とのやりとりはマリリンの知性が光る結果となりました.
私もこれまで概略そういう話だと理解していて、おそらく我が国ではこのかたちで知っている人が大半だと思う。だが、どうやらこれは彼女が話したすべてではなかったらしい。通勤の徒然に読んでいた「マーク・ピーターセンの英語のツボ」でそれを知り、さらにマリリンのウィットに打ちのめされることになった。

以下は同書の引用。「wear」という単語の守備範囲の広さを説明したコラムで用例として出てくる。
1953年、ヌード写真の掲載をめぐるスキャンダルのときに行われた記者会見で、セックスシンボルのマリリン・モンローが英語のこの特徴をうまく使ったことがある。What do you wear to bed?(寝るときに何を着て寝るのですか?)というくだらない質問をされたら、彼女は "Two drops of Chanel No.5."(シャネル5番を2滴)と答えたのである。
これはもう降参するしかない。かの名言は二段オチだったのだ。答えを聞いた誰もが「一体どことどこなんだよー」と内心ツッコミを入れたであろう。
英語版WikipediaのChanel No. 5の項目にもこのやりとりは紹介されている。

マスコミ相手の応答としては「Chanel No.5」だけでも十分上等だし、よりエッチい想像をさせることになる表現を嫌った誰かが日本向けに「二滴」を敢えて省いて広めたのかもしれないが、マリリン・モンローの当意即妙ぶりはこのかたちの方がよりよく伝わったように思う。すげえキュート。今更ながら惚れたぜベイビー。
これでは伝説となるのも当然だ。生きていたら今年で82歳。どんな素敵なおばあちゃんだっただろう。
我が国のスターと言われているタレントの方々が、これくらい洒落た言葉をさらっと喋るようになる日は果たして来るのだろうか。みんな頑張ってね。

だいぶ暴走したが、「英語のツボ」はこれ以外にもなかなか面白楽しい話がいっぱい載っているので、語学に興味がなくとも十分読むに堪える。おすすめ。
posted by NA at 22:19| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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