2008年04月04日

意味不明瞭訂正記事の楽しみ

correction.gifけさの読売新聞の社会面に短い訂正記事が出ていたのだが、これがどうも謎の多い内容で職場でちょっとした話題になっていた。
新聞の書体拡大に伴い活字などをめぐる話題を扱った連載記事「おもしろ字典」で間違いがあった(筆者は大木隆士記者)というわけだが、訂正の文面は不親切この上ない。
[訂正]先月31日の連載「おもしろ字典1」で、「高田智和さん」は「元主任研究員で早稲田大教授の笹原宏之さん」、また「一室」は「資料」の誤りでした。「文字の世界のお宝ハンターだ」のくだりは削除します。
大きな手違いがあったことを予感させる文章ではあるが、この訂正だけ読んでも何が起きたのかさっぱりわからない。

yomiuri_misreport.gifこうなると、もともとどういう記事だったのかに俄然興味が湧いてくる。情報を小出しにして気を惹くのはマーケティングの常道だよな、と釣られていることを意識しながら訂正前の記事を探し出した。
読んで驚く。連載初回の冒頭の文章が全部間違いだ。いったい誰に取材して書いていたのか。>大木記者
せっかくの「文字のお宝ハンター」という決め台詞まで撤回されているのは、笹原教授から「自分はハンターではない」とクレームでもあったのだろうか。わくわく。

以下は想像になる。
ネットを検索すると、昨年7月に開かれた第75回人文科学とコンピュータ研究会発表会で、この二人の名前は共同発表者として出てくる。もしかしたら大木記者は、この発表会でのやりとりを傍聴していて壇上の発言者を取り違えたままエピソードとして紹介してしまった、のではなかろうか。ともあれ、ものごと確認を怠るととんでもないことになるという好例だ。

「『一室』は『資料』の誤りでした」という本筋にまったく関係ない表現まで訂正の対象になっているのも味わい深い。機嫌を損ねた対象者から「ここも違っているから、この際一緒に訂正してほしい」との申し入れがあったのではなかろうか、とこれまた勝手に修羅場を想像する。
新聞記事での「訂正」と「お詫び」の使い分けの分岐点は不明なれど、ここまで違っていると単なる事実関係の修正だけで済ませられたのかどうなのか、いろいろと妄想したくなる。笹原先生が今後読売に登場するかどうか要注目である。

このネット時代に今更高齢者対策で字が大きくなるということにどれほど社会的な意義があるかはわからないが、事前の大々的な宣伝ぶりやほぼ全紙が読売に一斉に追随した(先行したのは毎日らしいが、巨大化ムーブメントは読売が先導した)ことからしても、新聞業界的には大事件であったことは間違いない。
キャンペーンに連動して始まったこの連載自体も扱われていたテーマはそこそこ面白い内容だっただけに、このみっともないチョンボ(と言ってしまおう)はさぞ痛かっただろう。もしかしたらこの訂正が原因で五回で打ち切られてしまったのではなかろうか。

ということで、読売に限らないけど訂正記事はもっとわかりやすく事情を説明してほしいものだと一読者として思った。あまり説明せずにさらっと済ませたい気持ちはよくわかりますが。
posted by NA at 20:27| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 重箱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまいて。

>字が大きくなるということにどれほど社会的な意義

ギョーカイ的には大変なことです.
読売のメガ文字化はむしろ記事段数変更の方が主眼で、段数(=面積)ベースでの広告単価改定などこれまで朝日が基準だったプライスセッティングの主導権を握ろうとするものです.同じ土俵に上がらされた時点で各紙が後手を引いたことは確かでしょう.
ま新聞の中身には全々関係ありませんがそういうことです.
Posted by 読売関係者ではありませんが at 2008年04月07日 10:58
どうもはじめまして。>非関係者様

新聞広告の値段というのはどうやって決まっているのか浅学にして知りませんが、やはり面積の計算の仕方が変わると値付けにいろいろ影響するんでしょうね。当然か。
でも昨今ではウェブ広告に押されて単価切り下げまくりなのではないか、と思ったりするのですがそのへんどうなんでしょうか。うちのアフィリエイトリンクはブログのクォリティを反映して碌なものがついていませんので、あまりえらそうなことは言えないのですけど。
Posted by NA at 2008年04月08日 00:51
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