2008年03月16日

急にボールが来たので

駄文だ! 長いぞ!

午前中に仕事を一件終えて早めの昼飯を食べ、少し時間が空いたので出先界隈を腹ごなしがてらほてほて歩いていたら、小学校を会場に献血を募集しているのに出くわした。PTAの奥さん方らしい女性らがわさわさとチラシを要領悪く配っている。
そういえばしばらく献血には行っていなかった。食べたばかりでちょうど血の気も余っているし時間もあるし、知らない町の小学校にぶらっと入るという行為自体にも魅力を感じた。よーしパパ400cc出しちゃうぞー、とか思いながら校門を通過した。

献血会場は体育館で、何だか思いっきりオープンスペースだったのに意表を突かれた。入口そばで受け付けをして緞帳の下りた舞台前で血液検査をして、奥のバスケットゴールの下に野戦病院のように寝台がいくつか設置されて地元の親父らしい年配の男性らが神妙に血液を吸い上げられている様子が一望できるのである。
平日の午後に血を抜きたがる人はそう多くないらしい。ほとんど待たずに順番が回ってきた。海外渡航歴や病歴や同性愛歴などを尋ねるお決まりの質問に嘘をつきまくって(←そんなことはしない)無事ドナー合格となり、簡易寝台の上の人となった。

当たり前だが抜かれている間は特に何もすることがない。献血ルームであれば漫画や液晶テレビなどの準備もあるのだが、あいにく小学校の体育館なのでかまぼこ型の天井を内側から眺める(何年ぶりだろう)しかない。不便だがチューブが刺さっていない方の片手で持ち合わせのミステリ本を読んでいたら、看護師さん(若い女性)が「その本面白いですか?」と話しかけてきた。
彼女もミステリ好きで、最近では「チーム・バチスタの栄光」が面白かったという。「前は手術室に入っていたので、術式のくだりとか本当にリアルでよかった」などなど。言葉になまりがあるので聞いたら、果たして関西出身者だった。さっそく森見登美彦の本などをお勧めしておく。
病院勤務をやめて献血の仕事をする(ということは日本赤十字の職員さんか)ようになった経緯は何だったんだろう、と聞こうと思ったが、その前に400ccが出切ってしまった。おかわりするわけにいかないので、「ではまた次の献血会場でお会いできたら」と爽やかに手を振り、無料ドリンクとクッキーを余計にせしめて小学校を後にした。
彼女本当に可愛かったな、と思った。

職場に戻ってしばらくして、献血後に貼られた絆創膏をトイレで剥がしていてふと気づいた。「あ」と声が出た。
これって出会いってやつじゃん。ひどくもったいないことをしたのではないか。

いや、別に彼女が自分に好感を持ってくれたとかと自惚れるつもりは毛頭ないのだが、少なくとも会話をするきっかけは向こうが振ってくれたのだ。たかだか20分程度ではあったが初対面にもかかわらず本の話で盛り上がったではないか。そりゃま看護婦さん(と言ってしまおう)だから患者の話に合わせるのは職務上の癖なのかもしれないが、でもひょっとしてひょっとしたらメアドぐらいだったら教えてくれたかもしれないではないか。
いやいやいや、別に今すぐ誰か妙齢の女性とお付き合いしたいと切実に思っていたわけではないのだが、問題はそこではない。可愛い女性にアプローチしようという発想が終始頭に浮かばなかった、というのはどういうことなのか。男として終わってないか俺。

私はスペックとしては収入以外(まあ定職ついてそこそこ経ってますから)はかなり世間の下位に位置するであろうと自認しているので、最初から自分が女性に受け入れられることなどまったく期待していないのだが、もしかして世の中には見えないゴールポストがいっぱいあって、ボールはいろんな方向から足元に想像以上の頻度で転がってきているのではなかろうか。
我々喪男はボールが目に入らないか、たとえ入っても急に来たボールに対処できずに、思いっきりあさっての方向に蹴り飛ばしているのではないか。ああ口惜しい。決定力のなさは如何ともしがたい。

とまで考えたが、では八週間後に近隣の献血会場を検索して彼女を探しに行くことを自分は決してしないだろうな、とも思った。
結局、対人関係で必要なコストを払っていないからモテない奴はいつまでもモテないのだ。たぶん永遠に。
ラベル:献血 看護師
posted by NA at 22:18| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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