2008年02月05日

山下勇三さん死去

聞き覚えのある名前だな、と思ってしばし考えた。時事ドットコムの記事から。
2008/02/04-13:36 山下勇三氏死去(グラフィックデザイナー)
 山下 勇三氏(やました・ゆうぞう=グラフィックデザイナー)1月31日午後5時28分、上部消化管出血のため東京都目黒区の病院で死去、71歳。広島市出身。葬儀は近親者のみで済ませた。後日お別れの会を行う。
 絵本の挿絵のほか、「キユーピー」のパッケージなどを手掛けた。
実際の作品例は山下勇三 - Tokyo Illustrators Society -で見られる。

少しして思い出した。確かな記憶ではないが、小さい頃に朝日新聞で連載していた井上ひさしの「偽原始人」で挿絵を描いておられた方ではなかったか。同名異人の可能性もあるが。
山下勇三 偽原始人 - Google 検索

「偽原始人」はいろいろな意味で印象に残る小説だった。そもそも新聞でテレビ欄と運動面と四コマ漫画以外のコンテンツを読んだのはあれが初めてだったような気がする。主人公が小学生だったこと、テーマが親や社会への反抗だったこと、主人公らが作った架空の人物「真坂時太郎」のネーミングが子供心にハマったこと。そして毎回のイラストがとてもユニークで楽しかったこと。
正直当時の私にはまだ難しい話だった(ラストは悲劇的だったな)が、それでも子供たちの活躍と活気溢れる挿画に会いたくて毎日(朝刊だったか夕刊だったか覚えていない)新聞を楽しみにしていたものだった。文字に積極的に親しむきっかけを作ってくれたのがこの作品だった。

確認できてはいないけど、その絵を描かれた山下さんが亡くなったのだったらとても残念でならない。文章を読む生活の入口に案内してくれた方だったから。

本好きならば誰も「最初の一冊」に出会った瞬間があるはずだ。私の場合は一冊にまとまったかたちではなかったが、この作品が自覚的な読書生活のはじまりに位置すると思う。

ということを短い訃報をきっかけに思い出した。
山下勇三さんのご冥福をお祈りしたい。
posted by NA at 11:14| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 報道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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