2005年08月05日

ポルノ惑星のサルモネラ人間(筒井康隆)

少年の日、「宇宙衞生博覽會」を初めて読んだ時の名状しがたい感動は忘れられない。SFでありグロテスクであり、そして何より美しかった。とりわけ巻末の中篇「ポルノ惑星のサルモネラ人間」の醸し出す進化の果てのおぞましい異形の生物らの織り成す光景は、脳裏に鮮烈なイメージを残した。単行本の横尾忠則のアートワークも素晴らしかった。

……ああ、それなのに今回、新潮社はこの圧倒的に映像喚起力に優れた作品の再録に際して、誰の希望なのか異体進化した怪物たちのフィギュアを作成してページの間に画像を挿入するという愚行をやらかしてくれた。
きょう日の読者はそこまで想像力皆無で頭が悪いのだろうか。お笑い番組の笑いどころの文句を全部字幕で表示するようなサービスは、この完成された文学作品においても必要なのだろうか。俺は非常に悲しいよ。

追記(08/17):
「進化」じゃなくて「退化」でしたね。musigny2001さんのトラックバックを見て思い出しました。多謝。
posted by NA at 22:22| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(2) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
傍目には生きてるように普通に見えたってこと?客も見えてるんだよな
Posted by 中田ヤスタカ被害者の会 at 2013年06月13日 16:35
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