領海侵犯の件でイランに非難されている我等が海軍職員の待遇をめぐっては、イギリス国内の新聞各紙が表明する憤怒に私もまた共感する。あれはまさに侮辱だ。人質をあんな風に扱うなんて我々には想像すら出来ない――例えば、人質にタバコを吸わせているが、喫煙が人を殺すのは証明済みなのだ。哀れな兵士の1人フェイ・ターニーは黒いスカーフの着用を強要され、撮影された写真を世界中にばら撒かれた。イラン人たちには、文明的な振舞いという概念があるのだろうか? なぜ彼女の頭に紙袋を被せないのか? 我々がイスラム教徒を拘束した時には、ちゃんとそうしている。息が苦しくなるように、袋を被せたのだ。さすがパイソン。テレビの第1シリーズ開始から40年近くなる(信じられない)が、昔と変わらない痛烈な批判精神とそれを芸に昇華させる文章の巧みさには驚くほかない。
彼の個人サイトによればこの2月で彼は英国の定年である65歳に達したそうだ。昨年末には初期の大腸癌(roughly translated: nasty things in the bit that holds the poo という説明に笑わされた)で入院し、「症状は残念なことに、新聞が大売れするようなものでは全然なかった」との声明を出したりもしている。何しろ仲間のグレアム・チャップマンの死すらもネタにしてしまう連中なので、これぐらいは驚くに値しないが。
以下は本題とは関係ない。
カート・ヴォネガットも死の直前まで発言を続けていたし、現役引退年齢のテリー・ジョーンズも相変わらずギャグをかましてくれるし、筋肉少女帯は中年になって活動を再開するし、ということで表現者の活躍する期間は延びる一方だ。それ自体は喜ばしいことだが、映画や音楽など過去のリソースがデジタル化で今の世に蘇っていることも相俟って、若い新しい才能が頭角を現す余地はずいぶん減っているようにも思う。ネットの普及で間口は広くなった半面、時代を画するような大ヒットは出づらくなっているに違いない。
私は過去の娯楽資産と戯れていられればそれでいいけど、表現を志す人にとっては難儀な世の中になっているのではなかろうか。

