2009年08月20日

懲罰としての総選挙

今度の総選挙で民主党が勝ってもそんなに驚きはない、つもりだったけど、さすがにてきとうなコメンテーター数人で作ってるような週刊誌でなくて新聞が書くとインパクトはある。asahi.comが「民主300議席うかがう勢い」という記事を配信していた。本当だろうか。公示日から選挙情勢調査やってたのか、というのも驚き。
 30日投開票の総選挙について、朝日新聞社は18、19の両日、全300小選挙区から統計的に選んだ150小選挙区の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探った。その結果、(1)民主は単独で過半数(241)を大きく超え、300議席台をうかがう勢い(2)自民は選挙前議席(300)の半数に届かず、それよりさらに大きく後退する可能性(3)比例区では、公明、共産はほぼ前回並み、社民はやや苦戦――などの情勢がわかった
asahichart.jpg記事に付いているグラフを見ると民主党は明らかに310ぐらいまでがこゆめのグラデーションなのだが、記事では表現に若干手加減を加えたのだろうか。
他社調査の結果も見てみたい気がするが、まあ総選挙にしては異例の長い準備期間を経て民主党の不祥事もぼろぼろ出尽くして解散から最長の日程を組んだあげくのこの数字なのだから、これからそう大きく民意が動くとは考えづらい。このまま行っちゃうのかもなあ。

今回の選挙で興味深いのは「民主党支持ではないけど政権は交代してほしい」というスタンスの人が多いことだ。各種世論調査を見ていると、設問の都合もあろうが民主党に対していろいろ批判的な声はそれなりの割合であるものの、肝心の投票先になると自民よりも民主の方が圧倒的に多い。国民が一斉に政治的ツンデレになったのでなければ、これは明らかに「自民党に入れないための民主党支持」だ。
民意は自民党を罰することを望んでいる。その結果として行き先が民主党になっているだけだ。

なぜ自民党が罰せられなければならないのか定かではないが、私見ではその理由は景気回復失敗や雇用や外交や環境といった個別のイシューに因るものではなく、もう単純に「期待を裏切った」ことに尽きると思う。
2005年に我々は日本がかつてなかった日本に変わるのではないか、と期待してちょちょっと自民党によろめいて爆勝させてしまった。しかし4年経った今、事態は何ひとつ改善されていない。小泉純一郎という稀代の山師(前にも使ったような気がする)に騙されたのだ。ふざけるな。自民党に天罰を下さねばならぬ。お灸だお仕置きだスパンキングだ三角木馬だ。とまあだいたいそういうふうにお考えの方が少なくないのではなかろうか。懲罰の方法はともかく。

冷静に考えれば、郵政民営化で日本の財政運営から官僚機構から何からすべて変わると思うこと自体が明らかな錯覚だったわけで、針小棒大トリックを信じてあり得ない夢を見た側にも責任はあるのだが、それでも騙され感が減るわけではない。
しかるにその責任者は大勝利からわずか一年でその任を離れ(そりゃまあ、できもしない夢を見させたんだから逃げるよなあ)、後継者に祭り上げられた勘違い坊主は自分の手柄でもないのに相応の地位と勘違いして尊大に振る舞ったあげく高転びしてわずか一年でぽんぽん壊して辞めてしまい、次には何か地味な人が来て(個人的には嫌いではなかったが)よくわからないうちにこれも一年で辞めてしまい、それでやってきたのがおよそ小泉改革とは関係ない麻生首相で、政策的にも何が何だかぜんぜんわからない迷走に拍車がかかって大臣の首ばかり宙を舞う。
もうこれは、経緯はともあれ「すまん、前の前の前の人との約束がどっか行っちゃって本当に悪かった」と謝るしかない、と思うのが世間の常識ではなかろうか。

なのにこの財閥のぼんぼんといえば、この期に及んで「自分はぶれない」とか胸を張って、街頭で口汚く民主党を罵るばかりなのである。それより前にすることがあるだろうが、とテレビで見るほどに思う。小泉元首相ほどの人転がしのテクニックがあるわけでもなし、人員削減とコストカットとトヨタ優遇税制で押し上げられたGDPに特段の意味があるわけでもないと誰もが感じているところで尊大に振る舞って見せても、票は減りこそすれ決して帰ってはこない。別にマニフェストがいいから民主党に支持が集まっているわけではない。自民党自身が問題視されているのだ。

朝日の調査結果だけで即断してはいけないだろうが、もし本当に壊滅的敗北が目前に迫っているのであれば、心ある自民党(前)議員らがやるべきことはひとつしかない。親分麻生に改心を迫って有権者に詫び土下座戦略で少しでも損害を減らす方向に転換するか、あるいは下克上かだ。今更首相を辞めさせる方法はなくとも、自民党総裁をクビにすることはできるのではないか。そして選挙後の首班を今からでもいいから指名し直すのだ。
民主党が本当に300議席超を獲得したら、自民党議員らは間違いなく四年間干乾しにされるだろう。万年野党ならまだしも、与党から野党に転落しての四年間は長い。「次の選挙を待つ」ことを正当化して負け数を増やして悦に入っている麻生首相をこれ以上その座に置いたままでいいのだろうか。前途ある自民党議員よ蜂起せよ。
posted by NA at 05:47| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 報道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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