2009年08月15日

42字と等価の8語

overflow.jpg先日大阪のとあるホテル(画像のEXIFを見るとだいたいどのへんだかわかる。困った世の中である)に泊まったとき、浴室に貼ってあった注意書きが目に留まった。しばらく目から離れなかった。

最初は自分でも何が気になるのかわからなかったのだが、やがて気づいた。漢字平仮名交じりの42文字で綴られた日本語の内容が、英語ではわずか単語8個で伝わってしまうことが意外だったのだ。最初の「CAUTION」を含めても9語。8語だけでも十分で、「cause」の一語で警告の意は余すことなく表現されている。いや、警告という趣旨からすれば英語の方が遙かに優れているとも言える。

もちろん逐語訳ではない。「湯水」と「water」は違うといえば違うかもしれない。「浴槽」に該当する言葉は英文では省かれているし、日本語の方は丁寧表現の分だけまどろっこしくなっているのは確かだ。
しかし彼我の効率の差はそれだけでは埋められない。この英文の無駄のなさに、私はほとんど感動を覚えたと言ってもいい。文字数をカウントしても英語の方が短いのだ。
とりわけ「水を出したまま〜放置」のニュアンスを余すことなく伝える「Running」、「浴槽に〜あふれる〜」まで射程範囲広くカバーする「overflow」の2語には参った。いや本当に「やられた」と思った。何を勝手にやられているんだか自分でもわからないが。

大事なメッセージをことさら言葉を費やして伝えるか、大事なことだから短く切り詰めて伝えるか。話を大袈裟にして恐縮だが、これはもう文化の違いが今俺の立っている浴室に断層として露呈しているのではあるまいか、と思えるぐらいショッキングな出来事だった。日頃英語について碌に考えていないからなのだろうけど。
語学学習とは畢竟意思を伝えるスタイルを学ぶことなのだ、と改めて思った次第。
ラベル:日本語 英語
posted by NA at 02:04| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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