2009年07月02日

聞き耳頭巾ふたたび


前夜未明まで仕事をした都合で、昼前に遅めの出勤。乗った電車の向かいの席にはこれと言って特筆するところのない女子高生二人組が腰掛けていた。もう期末テスト前の短縮授業なのだろうか。
空いた電車ゆえ声はよく響く。彼女らが降りるまでの20分間話していたテーマは、同じクラスらしき男子らの顔の大きさだった。これだけ。

「シミズって顔でかいじゃん」
「えー、そんな大きくない」
「肩幅あるからそう見えないけど、けっこうでかい」
「そう? シミズ背もあるし」
「でもバランス悪い。ジュードーって感じ」なんかひどい偏見があるような気がする。
「ヤマグチの方が大きくない?」
「んー、いい勝負?」といった調子で以下名字を変えてえんえん続いた。
「一緒に歩いたら比べられちゃう。恥ずかしい」
「でもわたしらより小さいのも困るよね」などなど、世の中に無責任でいい世代の特権を余すことなく発揮しまくった会話ではあった。

腹に据えかねた私は、やにわに立ち上がって「人様の顔の面積を論ずる前に、おまいらの脚の太さをなんとかしろ」とは言わなかった。大人だし。実際太かったんだけど。
乗換駅で彼女らが降りた後、例によって周りで聴くともなしに聞いていた他の大人たちがどことなくばつが悪そうな面持ちだったのは、会話内容と決して無関係ではなかろう。男子高校生諸君、君らのクラスの女子は、男子のいない所ではこんなことを話しているのだ。知ってたか。

出社して同僚の女子に「なんか顔の大きさばかり気にしている女子高生と乗り合わせたよ」と話したら、彼女(巨顔ではない)はふふふと笑って「そういうものなんですよ今は、ふふふ」とだけ言った。そういうものなんですか今は。うむむ。
いつの間にか男たちを選ぶ尺度が顔面の寸法に変わっていたのだろうか。あるいはもしかして知らないうちに、マイケル・ジャクソン急死がきっかけにでもなって顔の大小が社会的問題となるような変化が起きていたのか。わからん。人より大きいからと言って小さくできるものでもないしなあ。

そこではっと気がつく。もしかしたら対面に座った私の顔面サイズが、彼女らの顔談義を触発したのではないか、と。以後一日中気になってトイレで鏡に見入ったり指で枠を作って外接長方形のサイズを測定したりしていた。まったく女子高生恐るべし。
タグ:女子高生
posted by NA at 01:41| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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