2009年06月19日

兄弟持ちは見るべし「重力ピエロ」


今年は兄弟映画の当たり年かもしれない。先に観た「スラムドッグ$ミリオネア」はスラム街に生まれた兄弟の成長物語だったが、仙台を舞台に展開する伊坂幸太郎原作「重力ピエロ」もまた、兄弟のひとりである私の記憶をちくちく刺激しまくる作品だった。

物語には謎解きの枠組みが一応あるが、加瀬亮と岡田将生(実年齢は結構離れているのに違和感を感じさせなかった)の兄弟、小日向文世と鈴木京香の夫婦らの家族模様を、時を行き来しながらコラージュ風に描くことの方に力点が置かれている。
そのエピソードのひとつひとつはさほど特別なものではないが、鈴木京香演じる母親が幼子をあやす童歌、二段ベッド(兄弟ドラマでは必須アイテムと言えよう)の上から弟を慰める兄など、記憶に残る最良の瞬間を切り取ることにこの映画は成功していると思った。幼少時のアルバムの写真や家族揃っての外出のくだりなどで兄弟の絆を描写するセンスに好感を覚えつつ、この感じはひとりっ子にはわからないかもなあ、と余計な心配をしたりもした。

岡田将生は時に演技はぎこちないが、同性ですら見惚れてしまう美貌(としか言いようがない)を武器に、大スクリーンの中で際立つ存在感を発揮した。カメラワークの勝利。加瀬亮もなかなか兄っぽくてよろしかった。
ストーリーには明らかな傷があるものの(あんなことして捕まらないわけがないだろう、など)辻褄合わせだけが映画ではない。昨今はやりのヤンキー映画とは違った体温の低さ(しかし微熱はある)を堪能できた。伊坂作品における兄弟の描写については以前のエントリでも触れたことがあるが、その感触をよくとらえた映画化だったと思う。

#ところで渡部篤郎はクラウザーさんに弟子入りしてもっとスムーズに「レイプレイプ」と連続して言えるようになったらさらによかったのではなかろうか。
posted by NA at 02:56| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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