2009年04月20日

J2鳥栖―熊本戦との遭遇

以前から出張で福岡から長崎や熊本方面に特急で移動する度に、JR鳥栖駅前のでかいスタジアムが気になってはいたのだ。
今回は土曜日に用事が終わって小打ち上げをし、日曜日は帰るだけという日程だった。夜の便で帰ることにして寝坊したあげく、昼に鳥栖に立ち寄ってみた。佐賀県の地面に足を付けたのはこれが初めてだ。着地したことのない都道府県はあとは愛媛と福井ぐらいか。

特に目的は定めず、街中をぶらついて時間が余ったらプレミアムアウトレットにでも行くか、ぐらいのつもりで駅に降り立ったら、なんとちょうどJリーグの試合をやっている日だった。ラッキー。この手の偶然には弱い。あっという間にレギュラー席大人2,000円也を購入。ビールとソーセージも忘れない。
とはいえ、この日の対戦カードであるサガン鳥栖(ホームだ)もロアッソ熊本も、まったく馴染みのないクラブだ。知らない場所で知らない連中が球をこねくり回す、果たしてそんなゲームを観て面白いのかどうなのか。地元の言葉で話す地元民に前後左右を囲まれながら(といってもさほどの密度ではない)少々不安になってきた。

と思っていたら、なんと藤田俊哉が熊本にいるではないか。
最初は同姓同名の別人か、と思ったが、ピッチに登場したのは元日本代表MF、磐田やオランダ・ユトレヒトで活躍し、レッズに来るかと思いきや名古屋に行ってしまってサポーターが臍を噛んだ藤田その人であった。やや後退した前髪の生え際、旅人中田とも相通じるぴんと伸ばした背中は紛う方なく藤田俊哉である。ジーコジャパンでもっと彼が重用されていたらドイツW杯の一次リーグ惨敗はなかったかもしれない。というあの藤田である。くどいな。いつ移籍していたのだろう。

ゲーム自体はモダン蹴鞠というか、中盤付近でのボコり合いが延々続く割に点が入りそうな予感が双方ともまったくしない典型的な凡戦で、決勝点は前半ロスタイムの鳥栖DFがGKの逆を突く芸術的折り返しオウンゴールだったという冴えない結果ではあった。
それでも幾分ロアッソの方が組織的な攻撃が成立していたように見えたが、後半たったの1点差なのに攻撃にろくに人数を投入せず守りに入っていたように見えたのはどうしたことだろうか。鳥栖のオフェンスが思いっきり見くびられていたのかも。
鳥栖のホームゲームにもかかわらず、ゴール裏のクラブシャツを着たサポーターの人数や大旗の数はロアッソの圧勝だった。熊本から鳥栖はすぐ近くだし、人口の多い県だしなあ。

ともあれ、そんな混戦の中でも、背筋を伸ばした藤田の存在感は際立っていた。攻撃的MFとして熊本の3トップの下に入り、両軍の中盤が慌て気味にボールを交換する中でも冷静にサイドチェンジや短いパスで的確に仕掛け、着実にボールに絡んでいた。ふだんの出来と比べてよかったのか悪かったのかはわからないが、素人目にはJ1でも十分通じるように思えて、何だかもったいないようなありがたいような、そんな感じがした。たぶんそれは感動に近いものだ。
藤田が後半30分過ぎに交代してからは、ハンディをもらったのか鳥栖が押し気味になったが、決定力のなさは最後まで変わらなかった。

夏を思わせるような日差しの下、ビールを飲みながらのんびり観るサッカーの試合は、内容はともあれ思いの外面白かった。
ひとつには先に書いたようにスタジアムが鳥栖一色でなかったことも影響しているだろう(九州ダービーと称していた)。双方の駄目なプレーに等しく失笑が漏れるような雰囲気。ゴール裏以外の観客が皆ゆとりをもって観戦している、というのは本来ホームチームにとってはあまり喜ばしい状況ではないのだろうが、一見の観客にとっては変な応援を強要されない方が喜ばしいことは言うまでもない。

ということでチーム的にもサポーター的にも鳥栖のJ1昇格はいろいろ難しそうだけど、まあみんな頑張ってくださいという感じ。
今後ベストアメニティスタジアム(略称ベアスタが何の略か初めて知った)の前を通ることがあったら、この試合での藤田の姿勢の良さを思い出すことだろう。
posted by NA at 00:23| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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