2009年04月11日

「おくりびと」の評価が高すぎないか


もうDVDも出ているのに、アカデミー賞外国語映画賞受賞でリバイバル上映が未だに続いている「おくりびと」を今更ながら観てしまった。
たまたま山形方面に出張していてたまたま時間が空いたので、まあご当地映画(出張先は酒田ではなかったが)を観るのもよかろ、と入ってみた。いちおう賞ももらってるしそれなりの作品なんだろう、と期待して。

二時間強経過。金返せ時間返せ、とは思わなかったが、そんなにすごい映画なのかこれ、とは思った。
ストーリーの煮詰めの足りなさお手軽さに、よくも悪くも普通の日本映画だな、という印象を受けた。薄味ゆえ大きな破綻はなく安心して見ていられるが、それ以上の内容ではない。

たぶん、海外公演を行うほどのオーケストラが予告なしにオーナーの一声で解散してしまうという最初の方のエピソードで「おやおや」モードに突入してしまったのが原因だろう。後半に出てくる河川敷でチェロを弾く場面のためにチェリストにする必要があったのかもしれないが(しかし楽器痛むぞ)、そのへんからして既に地に足の着いていない映画ではなかったか。まあ全体のコンセプトからしてファンタジーなんだろうけどさ。そう思えば視界が閉ざされた雪道を走る場面が最初に配されたのにも何となく納得が行く。

しかしそういう映画がなぜか米国で「いかにも外国の現実を描いた作品だ!感動!」と評価されてしまったことがどうも不思議でならない。というか何だか居心地が悪い。彼らの日頃思っているニッポン像とどこかシンクロするところがあったのだろうか。作中にばらまかれた生死と性愛、食べることのほのめかし程度のリンクを深読みしすぎたとか。まさかなあ。

キャストに関しては大きな不満なし。
山崎努は山崎努がやる以外ないような役を割り振られてしっかり山崎努をしていた。ハリウッド映画で得体の知れないニホンジン役が必要なときにはぜひ抜擢してほしいものだ。広末も相変わらず広末だがもっと体当たり演技しなさい体当たり演技を。ぱんつぐらいではいかん。
本木雅弘は相変わらず脱ぐのが好きだねどうも、という感じ。チェロの運指を頑張って覚えたらしいのはえらいと思った。でも実年齢より十歳ぐらい若い好青年役を今後も続けるつもりだとしたら、それはちょっとな。個人的にはかつてギャツビーのCMで演じていたような胡散臭いダンディ路線で映画に出てほしいものです。

ともあれ確かに平均点以上の作品ではあろうが、どうにも軽すぎる。今の世の中、「おくりびと」にこれほどまでの賛辞を送りっぱなしでいいのだろうか。とか言う自分も世評に釣られて見に行ったようなものだからアレだけど。
ここで言うのはお門違いだし日本の市場がそれを求めていないと知りつつも、ハリウッドの重量級ボクサーと互角に打ち合えるようなごつい映画、一度観たら三日ぐらいずしーんと衝撃を受けっぱなしの映画、そんな作品の出現を期待して止まない。
posted by NA at 23:25| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
NAが賛辞したの?
Posted by BlogPetのめち at 2009年04月15日 14:50
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