2009年02月04日

オンライン執筆ライブ

会社からたまにかかってくるどうでもいい問い合わせ電話を受ける以外、何もすることもなく寝ているとくだらないアイデアばかり湧いてくる。

文学とネットサービスのコラボレーション企画はこれまでにも結構いろいろ試みられていると思う。インターネット普及以前にも筒井康隆の離れ業的な「朝のガスパール」があったし、今は亡きジャストネットで「ハイパーテキスト小説」をうたった井上夢人の「99人の最終電車」(現在のサイトは新潮社)という怪作も印象深い。作品の一部をネットで発表するのを最初に始めたのはスティーヴン・キングだったか。作家の有料メルマガや電子書籍で直接収益を上げるモデルもあるようだ(どれだけペイしているかは知らない)。
しかし文字だけのテキストというのは簡単にコピーできてしまうので、ネット上で作品を発表して生計を立てるのは容易ではなかろう。

携帯小説からいくつかベストセラーが生まれている。内容についてはコメントしないが、基本的に作者=主人公、もしくは極めて近しい存在として、親しい相手に打ち明け話をするかのように語るスタイルが受け入れられたのではないか、と思う。物語への参加意識を読む側が持っている。

ならば。創作のプロセス自体を公表して、リアルタイムに読者がコメントできる仕組みを導入するのはどうだろうか。画面を二分割して、片側は作家が現在文章を書いているエディタだかワープロだかのスクリーンを中継し、もう半分は読者と作家・編集者のオンライントークのログを流すのだ。「そろそろ主人公出てきたらいいなー」「まあ見ててください」みたいな気楽なおしゃべりを期待。ニコ動みたいなもんですか。
どうやって商売にするかだが、過去ログを読んだりコメントをしたければ有料会員になるというモデルが有望か。何だか音楽業界に似てますが。CDが売れない代わりにライブで儲けようという感じ。コンサート会場に警備員が必要なように、荒らし発言をする観客を排除する仕組みも必要そうだな。

一行書いてまた消して、みたいなプロセスを見ていて面白いかどうか、執筆時間を定めたライブが可能か、長時間つきあってくれるほどのファンがどれだけいるか、そもそも他人から批判されることを嫌うであろう作家がこのような衆人環視の下で文章をものすることができるのかなどなど、実現まではいろいろハードルがありそうだが、神経が太くて新しもの好きの作家はぜひサイトをつくって挑戦してほしいものだと思った。
私も病気で寝ていてやることのない日には見に行きます。

追記:
とか書いていたら、さすが舞城王太郎。こんな試みが六本木の新国立でちょうど行われていたらしい。
審査委員会推薦作品 : アート部門 | 平成20年度(第12回)文化庁メディア芸術祭
小説家・舞城王太郎が新作小説『舞城小説粉吹雪』を執筆した際のタイピングのプロセスをソフトウェアに記憶させ、今度は無人のキーボードが執筆時のキーボードの動きを再現する。無人でカタカタと動くキーボードは、執筆時の舞城氏の姿を想像させる。
インタラクティブな仕掛けではないけど、小説の生成過程を可視化するという発想は同じ。すべてのアイデアは誰かが先に思いついているものだなあ。
早く治して六本木に見に行こうっと。
posted by NA at 23:45| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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