2008年12月15日

ひとつ目女(椎名誠)

椎名誠の異世界冒険譚が、実は異世界でなくて近未来の東アジアだった、というところに収まりそうなのは、やはり残念としか言いようがない。前に「砲艦銀鼠号」を読んで思ったことを一層強く感じた。

本作では現行の商品ブランドがそのまま登場し、現実の地名が舞台となっている。変わったのは背景だけでない。描かれている内容も以前のような冒険ではなく、曖昧な理由で逃避行を続ける男たちの煮え切らない物語だ。
作家のどのような心境の変化によるものかはわからないが、異態進化した魑魅魍魎たちが跋扈するあの魅力的なアドベンチャーワールドはもう戻ってこないのだろう。惜しいことである。
ラベル:椎名誠 SF
posted by NA at 01:23| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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