2011年10月04日

あぶり出し2011

たしか中村正三郎だったと思う。「ネットは馬鹿のあぶり出し」という名言をものしたのは。大昔の電脳筒井線を巡るasahi-netとPC-VANのメンバー間による論争とも言えない喧嘩騒ぎのときであったか。技術評論社から出ていた中村さんの単行本で読んだ(もともとは雑誌「ざべ」に連載された記事だった)覚えがある。中村さん自身もそのあと電子掲示板に書いた内容に端を発したざべ事件(電脳曼陀羅事件の方が通りがよい気がする)で雑誌連載を切られ、以後長い長いマイクロソフトとの戦いが始まるのだが、これは「馬鹿」と言ってはいけないもののやはりネットがあったがゆえの騒動であったと言えるだろう。もう20年ぐらい前の話、中村さんにも俺にも頭に毛が残っていた頃の物語だ。長生きはしたくない。よぼよぼ。

以後ネットはさかんに燃え続けてきた。インターネット時代に入って個人サイトを舞台とした1998年のドクター・キリコ事件、1999年の東芝クレーマー事件あたりはまだウェブサイトを開くこと自体が一般的ではなかったが、ブログの普及が火種をあちこちにばら撒き、さらになぜかおろかな振る舞いを自慢したくなる不思議な磁場を備えたmixiの出現が油を噴射、p2pソフトで広まったファイル漏出マルウェアの働きでネットは和歌山県すさみ町よりも荒み切った暗野に成り果てた。すさみ町民ごめん。
で、その総仕上げとも言うべき荒みが、今我々が直面しているtwitter炎上である。

取るに足らない140字以内情報の連打で人はここまで印象を悪くし評判を無くし得るのか、という壮大な人体実験に日々多くのチャレンジャーが参加している。その代表選手が我らの日垣隆だ。
かつてのエントリで日垣さんの本を取り上げたことがある。「たぶん正論なんだろうけどかなわんなあ」という読後感を、当時は高かったらしい日垣さんの世評に遠慮しながら書いている様子が我ながらチキンだ。それ以前にも「情報の技術」などの著作をそれなりに面白く読んだ覚えもあっただけに、変わり果てた有様(と言ってしまおう)をtwitterで見て誇張でなしに目を疑ったものだった。これが本当にあの日垣さん? なりすましじゃないのか?

日垣隆(T-Higaki) (hga02104)

ああ、でも確かに彼こそは日垣隆。我らがガッキィファイターの成れの果てなのだ。その戦いの一部始終は「日垣隆」のまとめ - Togetterに詳しい。我々が知っていた、あの最短手数で相手を論破する「敢闘言」の日垣隆はそこにはいない。誤字まみれのごろつきのような罵言で豪快に間違った相手を爆撃する5の倍数好きな変なおじさんしか見えない。

だがネットはいつまでもひとりの人間をヒーロー(というか)の座に置いてはおかないのだ。
悪評に気づいたのかfacebook(ここもまた別の炎上フィールドなのだが)に撤退した後を、ちゃんと襲ったボランティア精神溢れる言論勇者がまたひとり。我らの烏賀陽弘道先生だ。

http://twitter.com/#!/hirougaya
http://twitter.com/#!/ugaya

例によって赫々たる戦果は「烏賀陽弘道」のまとめ - Togetterにてお楽しみいただける。この方も以前には優れた本を書いていた(ような気がする)のだが、まあなんというか、夜中にはやりとりしたくないキャラクターであることが如実に明かされている。

twitterはおそろしい。触れると馬鹿になる何かがそこにはある。人類が電脳世界に適応した生物に進化するまでにはまだまだ時間と経験が必要なのだ。中村正三郎先生がtwitterに降臨したらぜひ馬鹿化物質の正体解明をお願いしたいものだ。
posted by NA at 08:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 電網 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする